人口減少が生活に与える影響【抜粋】

(1)生活関連サービス(小売・飲食・娯楽・医療機関等)の縮小
(2)税収減による行政サービス水準の低下

(3)地域公共交通の縮小・撤退
(4)空き家、空き店舗、工場跡地、耕作放棄地等の増加

(5)地域コミュニティの機能低下


 など、生活利便性の低下や地域の魅力の低下を通じて、さらに人口減少を招く悪循環に陥ることが考えられます。

いま、地域全体で人口減少がもたらす問題について考える必要があります。

丹波市の将来を考えるとき、

都市のコンパクト化による機能集約や交通ネットワークの強化など地域の生活サービスの確保による魅力的な地域づくりを促進することを通じ、

将来世代にわたる豊かな暮らしを実現するための地域づくりを進めていくことが必要です。

➡︎【詳細版】

(1)生活関連サービス(小売・飲食・娯楽・医療機関等)の縮小 

私達がが日常生活を送るために必要な各種サービスは、一定の人口規模のうえに成り立っています。必要とされる人口規模はサービスの種類により様々です。例えば、一般病院が立地するためには、最低何人以上の人口規模が必要であります。人口減少によって、生活に関連サービスの立地に必要な最低人口が割り込む場合には、地域からサービス産業の撤退が進み、生活に必要な商品やサービスを受けることが困難になるなど、日々の生活が不便になるおそれがあります。 これに加え、サービス業等の産業の雇用もあり、サービス産業の撤退は地域の雇用機会の減少へとつながり、さらなる人口減少を招きかねないことになります。 

(2)税収減による行政サービス水準の低下 

人口減少は財政にも大きな影響を及ぼし、人口減少とそれに伴う経済・産業活動の縮小によって、税収入は減少すると、その一方で、高齢化の進行から社会保障費の増加が見込まれており、財政はますます厳しさを増すことが予想されます。こうした状況が続くと、それまで受けられていた行政サービスが廃止又は有料化になる場合が考えられ、結果として生活利便性が更に低下することになります。 こうした厳しい財政状況のなかで、高度経済成長期に建設された公共施設や道路・橋・上下水道といったインフラの老朽化問題への対応も必要となってきます。


(3)地域公共交通の縮小・撤退 

これまで、地域公共交通は主として民間の事業者によって支えられてきました。しかし、人口減少による児童・生徒や生産年齢人口の減少が進めば、通勤通学者が減少し、民間事業者による採算ベースでの輸送サービスの提供が困難となり、地方の鉄道や路線バスにおいて、採算の合わない路線からの撤退や運行回数の減少が予想され、また、高齢化の増加に伴い、自家用車を運転できない高齢者等の移動手段として公共交通の重要性が増す中で地域公共交通の衰退が地域の生活に与える影響が大きくなります。


(4)空き家、空き店舗、工場跡地、耕作放棄地等の増加 

人口が減少する一方で、総住宅数は増加しており、全国的に空き家数は増加傾向にあります。なかでも、居住不在の住宅等を含む「その他の住宅」が増加しています。「その他の住宅」は、管理・処分方針が未定のものもあり、他の区分の空き家と比べて管理が不十分になりがちです。

 また、地域の経済・産業の縮小や後継者不足等によって空き店舗、工場跡地、耕作放棄地も増加しており、空き家の増加とともに、地域の景観の悪化、治安の悪化、倒壊や火災発生といった防災上の問題等もあり、地域の魅力低下につながってしまう。


(5)地域コミュニティの機能低下 

人口減少は、地域のコミュニティの低下にも与える影響も大きく、自治会など住民組織の担い手が不足し共助機能が低下するほか、地域住民によって構成されている消防団の団員数の減少など地域の防災力の低下を招く。 

また、児童・生徒数の減少が進み、学級数の減少、クラスの少人数化が予想され、いずれは学校の統廃合という事態も起こり得る。また、若い年齢層の減少により地域の祭りのような伝統行事が継続できなくなるおそれもある。 

よって、住民の地域への参加が縮小し、住民同士の交流の機会も減少し、地域のにぎわいや地域への愛着が失われていく。


【どのような時に、人口が減少したと感じるか?】

「商店街にシャッターが下りたままの店舗が増えた」、「空き家をよく見かけるようになった」

など。
 人口減少による地域まち・生活への影響は、生活利便性の低下や地域の魅力の低下を通じて、さらに人口減少を招くという悪循環に陥ることが考えられる。 

 地域全体として人口減少がもたらす問題に立ち向かっていく必要がある。
 都市のコンパクト化による機能集約や交通ネットワークの強化による地域の生活サービスの確保等による魅力的な地域づくりを促進すること等を通じ、将来世代にわたる豊かな暮らしを実現するための地域づくりを進めていくことが重要である。